コンクール予選通過

大宮から不定期で通って下さる生徒さんがいます。

今回、2月22日のYAMAHA和幸コンクールに出場するということで、
譜読みの段階から見てほしい、と冬休みを利用して
2時間にわたるレッスンを何度かしました。

小学5年生ですが、本当に頑張り屋さんです。
本人のコンクールに出たい、弾きたいという意志が
何より強いです。

本番一週間前のレッスンでは、
どうしてもテンポが一定せず、メトロノームに
きちんと合わせられないので、
動機(リズム)のとらえ方について説明しました。

長いフレーズ(いくつかの音符からなるまとまり)になると、
どうしても勢いで弾きます。止まらないように必死です。
もちろんコンクールは、止まったらアウトです。
焦る気持ちが長い16分音符のフレーズをより速くして
しまうんですね。

メトロノームにきちんと合わすのは、生徒達にとって
案外難しいのです。よくわかります。

彼女は、非常に理論理屈を知りたがる頭のよさがあるので、
私は感覚的な部分を、わかりやすい言葉で彼女が納得できるように
説明することを心掛けています。
「メトロノームに合わせて」だけではうまくできないのです。

そのフレーズは、まずは16分音符のタカタカでできています。
タカタカは簡単に弾けます。そして、2つつなげます。
3つつなげます。16分音符4つのタカタカという細胞が、
いくつも列車のようにつながっていくイメージです。
一つ一つのタカタカにきちんとした区切りを意識させます。
タカタカの頭の部分にアクセントをつけて、打点を明確にします。
ゆっくりの速さでメトロノームに合わせます。
メトロノームの音に打点をきっちり合わせることが大事です。
このようにして丁寧に丁寧に16分音符をつなげていきます。

このような練習を何度も何度も繰り返し、
だいぶ馴染んだ頃、速さを戻し、アクセントをとって
一息のフレーズで弾いてみます。

綺麗におさまります。
速い曲だから、速くばかり弾いていると、
どんどんフレーズが乱れて、細胞がガタガタの16分音符になってしまうんですね。
やはり、一つずつの細胞が美しくなければ、
全体像も美しくありません。
だから、小さなリズム単位での意識は非常に非常に大事なのです。
私はリズム打ちをどんな小さな生徒さんのレッスンにも取り入れます。

まずは細かく見ること。
そして最後は全体で見ます。

そのような練習をみっちり2時間ほどしました。
彼女のスタミナがすごい!笑

そして、昨日は夜にうれしい電話が。
「先生、予選通過しました!。」

「わぁ、すごいね!!おめでとう!」
何より本人の努力がすごい。

練習量は本番絶対出るし、ましてやコンクールとなるとなおさらです。
審査員の先生方はそういった所が全部お見通しなのです。

コンクールも、通る通らないが全てじゃないけど、
努力したことは必ず自分の血となり肉となりますからね(^_-)-☆